第64回大気環境学会年会(2023年9月13日(水)~15日(金)、国立研究開発法人産業技術総合研究所 つくばセンター 共用講堂) において、アジア大気汚染研究センターの研究員が発表します。発表概要は以下のとおりです。
学会名 | 第64回大気環境学会年会 |
開催日 | 2023年9月13日(水)~15日(金) |
開催場所 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 つくばセンター 共用講堂 (茨城県つくば市東1-1-1) |
名前 | 演題 | 概要 |
佐瀨裕之 |
変動する大気環境への陸域生態系の応答と今後の研究課題 |
森林を含む陸域生態系は、様々な生態系サービスを有しており、大気環境の変動によるこれらの撹乱に留意する必要がある。植物・酸性雨合同分科会において、変動する北東アジアや東南アジアの大気環境への陸域生態系の応答を概観するとともに、今後の研究課題について議論を行なった。 |
佐藤啓市,霍銘群,弓場彬江,二見真理,桃井拓也,桐山悠祐,高橋司,箕浦宏明,紀本岳志, 佐野徳太郎 | 新潟市郊外で通年観測したPM2.5中炭素成分濃度の変動 | PM2.5中炭素成分濃度の長期的な変動要因を解明するために、2019年に新潟市郊外にて有機エアロゾル自動計測器を用いて、PM2.5中OC、ECの通年測定を行った。また、同地点においてフィルター捕集により測定したOC、EC濃度の比較を行い、測定の一致性を調べた。1時間値データから、有機炭素と元素状炭素の季節変動の特徴、高濃度時の要因を解析した。 |
Mingqun Huo, Keiichi Sato (霍銘群,佐藤啓市) |
Study on the scavenging efficiency/ratios of particulate carbonaceous components observed in Japanese sites (日本のサイトで観測された粒子状炭素成分の除去効率/比率に関する研究) |
A simultaneous monitoring on the organic carbon and elemental carbon is conducted at Niigata, Sado Island and Tokyo sites in Japan to evaluate their scavenging efficiency/ratios. (有機炭素と元素状炭素の同時モニタリングが新潟、佐渡、東京で実施され、その除去効率/比率が評価された。) |
弓場彬江,高橋克行,柴崎みはる,吉村有史,Pham Kim Oanh,佐藤啓市 | ACSA-14, PX-375, 手分析によるPM2.5成分1時間値を用いたPM2.5高濃度イベント解析 | EANET新潟巻測定局で測定されている、PM2.5成分1時間値を用いて、PM2.5が高濃度となったイベントにおける短時間の変動解析を実施した。測定局における気象条件との比較から近傍の影響を、周辺局のPM2.5濃度変動との連動や後方流跡線解析から広域による影響を評価した結果を発表した。 |
二見真理,弓場彬江,桐山悠祐,佐々木博行,佐藤啓市 | 降水中無機成分の分析誤差が湿性沈着量データへ与える影響と精度保証・精度管理の重要性についての考察 | 東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET)のネットワークセンターでは、分析精度向上を目的とした模擬降水試料を用いた調査を毎年実施している。精度管理目標に達しないデータは現状も多数あり改善の余地があると考える。本発表では、調査から得られた分析誤差データを利用し実際の湿性沈着量データへの影響の評価を行ったため、その結果と精度保障・精度管理の重要性について言及する。 |
黒川純一,桐山悠祐 | アジアにおける近年のSLCF関連物質排出インベントリの相互比較 | アジア域は世界で最もSLCF関連物質を排出する地域であり、アジアを対象とした排出インベントリは全球・地域・国別など様々なものが開発・整備されているが、その推計結果(総排出量・発生源別排出量・トレンド)の差異は小さくなく、データの選択及びその使用で得られる結果の評価において問題となる。本研究では,アジア域排出インベントリREASをベースに既往排出インベントリを相互比較し、特に中国に重点を置いて、排出インベントリの状況・不確実性・今後の課題点について議論を行った。 |
佐々木博行,松谷亮,二見真理,遠藤智美,平野瑞歩,髙橋司 | 大気中マイクロプラスチック調査手法確立に向けた試みと展開 | 大気中マイクロプラスチック(AMPs)の調査を高精度で行う手法を確立するため、捕集、前処理、同定の各工程を考案し、3地点(新潟、川崎、小笠原)で測定した。その結果、個数濃度は0.85-2.1個/m3、粒径は3.3-10.9 um、種類はPA、PE、RESが最多だった。地点の比較では、粒径は新潟<川崎、個数濃度は小笠原<新潟の傾向が示唆された。小笠原での検出は、AMPsの偏在性を支持すると考えられた。 |
Kim-Oanh PHAM, Kazuichi HAYAKAWA, Akinori HARA, JiaYe ZHAO, Hiroshi ODAJIMA, Hiroshi MATSUZAKI, Hiroyuki NAKAMURA |
Combustion source apportionment and risk assessment in western side of Japan (西日本における燃焼由来発生源推定とリスク評価) |
The concentrations of PM2.5, polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) and nitro-PAH in rural and urban areas on the western side of Japan were investigated. Noto(rural)/Kanazawa(urban) displayed typical rural/urban air pollution’s relationship. However, Fukue (rural) had higher concentrations than Fukuoka (urban), which suggested effect of long-range transport from East China. Cancer risk assessment was estimated to evaluate the heath effect of long-range transport. (日本西部の農村部と都市部におけるPM2.5、多環芳香族炭化水素 (PAH)、およびニトロ PAH の濃度を調査した。 能登(農村部)/金沢(都市部)は、典型的な農村部と都市部の大気汚染の関係を示した。 しかし、福江(農村部)は福岡(都市部)よりも濃度が高く、中国東部からの長距離輸送の影響を示唆した。長距離輸送の健康影響を評価するために、がんのリスク評価を行った。) |