一般財団法人 日本環境衛生センター

アジア大気汚染研究センター

Asia Center for Air Pollution Research (ACAP)

2023.07.21 イベント

第10回国際酸性雨会議 (ACID RAIN 2020) - これからの環境と複合大気汚染物質の役割 –

プレナリーセッション

開催日: 2023年4月17日(月)~4月21日(金)
会場: 朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター 2Fメインホール
会合ウェブサイト: https://www.acidrain2020.org
参加者数: 214 名
参加国: 21 ヵ国
主催団体及びスポンサー: 主催: 科学運営委員会(SSC)、国際科学諮問委員会(ISAB)、組織委員会(OC)、事務局:アジア大気汚染研究センター(ACAP)
共催: 国際森林研究機関連合(IUFRO)、日本大気化学会、大気環境学会、生物地球化学研究会、日本陸水学会、日本土壌肥料学会
後援: 日本生態学会、日本地球化学会、日本地球惑星科学連合(JpGU) 、日本森林学会、森林立地学会、水文・水資源学会、日本水環境学会、環境経済・政策学会 (SEEPS)
スポンサー: 新潟県、新潟市、米国大気沈着プログラム(NADP)、国際森林研究機関連合日本委員会(IUFRO-J)、メイワフォーシス株式会社、東亜ディーケーケー株式会社、東京ダイレック株式会社、紀本電子工業株式会社、グリーンブルー株式会社、ワイリー・パブリッシング・ジャパン株式会社、日本大気化学会、株式会社島津製作所、国立環境研究所

会議報告

a) 背景情報

酸性雨国際会議は、1975年に第1回会議が開催されて以来、ほぼ5年ごとに開催されており、第10回会議は当初2020年10月に開催される予定であったが、新型コロナウイルス感染の世界的大流行により、数回の延期や日程変更を経て、ようやく開催されることとなった。今回の会議では、「ACID RAIN 2020 -これからの環境と複合大気汚染物質の役割-」と題し、酸性雨に特化した問題だけでなく、様々な大気汚染物質に関する科学的なトピックを幅広く取り上げた。

b) 議論された主要課題/最新の知見

6つの基調講演と20の口頭発表セッションには、「モニタリングとモデリングによる、排出とその評価」、「大気の化学的・物理的プロセス」、「長距離輸送とモデリング」、「アジアにおける複合汚染物質による都市・地域大気汚染」、「複合汚染物質による大気汚染と気候変動」、「複合汚染物質の観測と評価研究」、 「湿性、乾性、オカルト沈着」、「大気沈着と複合汚染物質の陸域生態系への影響」、「沈着の長期的傾向、土壌及び陸水の(酸性化からの)回復」、「大気沈着と生物地球化学的循環」、「大気汚染物質の気候変動への影響」、「臨界負荷量マッピングと健康影響指標」、「科学と政策による大気環境管理」という様々な科学的トピックが含まれていた。

c) 総括

1975年以来50年にわたる一連の会議における科学的議論は、上記のトピックスに示されるように、大気汚染に関するプロセスの包括的理解に貢献してきた。今後も、複数の汚染物質の新たな側面を考慮しながら、関連する研究を継続していく必要があると結論づけられた。会議の共同議長および国際科学諮問委員会(ISAB)の代表は、次回の会議を当初のスケジュールに沿って2~3年以内に開催することが望ましいとの結論に達した。

d) 今後の活動への展望

特集号は、Aerosol and Air Quality Research(AAQR)と Ecological Research の 2 つの学術雑誌に掲載される予定である。会議のスコープに関連する原稿は、特集号で受理される可能性がある。投稿期限は当初 2023 年 6 月 30 日であったが、9 月 30 日まで延長された。

プレナリーセッションにおける議論

(写真提供:HUO Mingqun)