一般財団法人 日本環境衛生センター

アジア大気汚染研究センター

Asia Center for Air Pollution Research (ACAP)

東アジアにおける広域大気汚染の解明と温暖化対策との共便益を考慮した大気環境管理の推進に関する総合的研究(H21~H25)

<課題代表者名>

一般財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター 所長  秋元 肇

<研究参画者の所属機関>

 (独)海洋研究開発機構、(独)国立環境研究所、公益財団法人地球環境戦略研究機関、一般財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター、名古屋大学、金沢大学、東京工業大学、東北大学、千葉大学

<研究の概要(背景、目的、内容)>

 経済発展が著しい東アジア地域においては近年、窒素酸化物、揮発性有機化合物等の大気汚染物質、並びに二酸化炭素等の温室効果ガスの排出量が急増し、この結果が、オゾン・エアロゾルの我が国への越境輸送、半球規模でのバックグラウンド汚染に加え、地球規模での温室効果ガスの増大をもたらしている。本研究 では、わが国のオゾン・エアロゾル汚染に対する東アジアの広域汚染、及び半球規模汚染の寄与を定量化し、これらの科学的知見をベースに越境大気汚染及び地 球温暖化防止に効果的な共便益(コベネフィット)を考慮した東アジア地域大気汚染物質削減シナリオを開発し、その実現への国際的な合意形成に向けた道筋について検討する。
 なお、本研究は次の3つのテーマにより構成されている。

<研究終了時の達成目標>

・オゾン及び微小エアロゾルの東アジア域における越境汚染量、我が国における生成量などを明らかにする。
・全球化学気候モデルによる過去再現および将来予測実験を実施し、大気汚染物質削減シナリオの温暖化防止効果を定量化する。
・大気汚染物質のアジア域排出インベントリを、衛星・地上観測データにより精緻化する。
・統合評価モデルであるAIMを使用し、大気汚染対策の実施による温暖化対策へのコベネフィットについて定量的に評価する。
・主要関係国における交渉推進の制約要因、推進要因について、合意形成プロセスの設計に向けた課題を明らかにする。
・気候変動と越境大気汚染、ローカルな大気汚染とのインターリンケージに焦点を当て、大気汚染物質削減に資するようなコベネフィットの制度を設計する。